―――「土方さんなんてもう追いかけるなよ。」



総司が言った。

その一言はまるで「俺を選べ」といっているようだった。

まるで遥への“告白”のようだった。

蝋燭の明かりで障子越しに見えた影はくっついていた。

まるで総司が遥を抱きしめているかのようだ。



俺の心臓が音を立てて激しく脈打つ。

遥の返事が怖い。

「はい。」なんて言ったら……俺はどうなるのだろう。


「はい。」なんて言わなくてほしい。

「土方さんを追いかける」といってほしい。



あぁ…気づいたさ。



やっと気づいた……。



「ごめん。」


総司の言葉と同時に、二つの影が重なった。