「いいや、なんでもねぇよ。」


と、寂しげに笑った総司。

全く意味がわからなかった。


「ねぇ、土方さんって何をするつもりなの?」

「あぁ…土方さんか…拷問だろ。」

「ごっ、拷問!?」


あの土方さんが拷問を?

確かに鬼の副長と言われるけどそんな…。

厳しいけれど優しくて笑ってくれる土方さんが?


「嘘でしょ?」

「嘘じゃねぇよ。多分、いや絶対そうだ。」

「そんな……。」


信じられなかった。

いや、信じたくなかった。



「さて、稽古でもつけるか!お前腕鈍ってるんじゃねぇか?」

「あ、確かにね。」


確かに1週間も寝ていれば剣の腕も鈍っているはずだ。

総司が投げた木刀を掴む。

少し手のひらが痛んだ気がした。


「お前に手加減したら殺されそうだからな。」


なんて総司が笑う。

アタシは笑えなかった。


頭の中は土方さんのことばかりが浮かんでいたから。