「…泣いてもいい?」

私がそう言うと
優人は頷く

私はさっきまで
堪えていた涙が
一気に溢れだす



「心愛…

抱きしめてい?」

私が頷くと
優人はためらいがちに
私を抱きしめる





周りには誰もいない


あたりはもう夕焼けで


さっきやんだはずの
雪がまた降ってくる

何も聞こえない




まるでこの世界に
2人しかいないように