「ちょっと待ってな」

そう言うと
その人は部屋を出ていく

…ホットココア
私の1番好きなもの…
たまたまだけど
なんだかちょっぴり運命みたいで、
嬉しくなってしまう

私がそんな事を
思ってるとガチャと
部屋のドアが開く

「ど―ぞ」

その人が私に
ホットココアの入った
カップを渡す

「ホットココア
好きなん?」

「へ?」

「嬉しそうやから」

こくんと私はうなずく

「なんかな

俺ん家いっぱい
ココアの粉あんねん

俺そんなココアとか
飲まんから

ココア飲みにき」

「え?!」


「さっきもいったけど
1人で寂しいねん

だからまたきいや」

私は何度もうなずく

「そんな嬉しいん?」


ココアを飲みにこれる
事が…だよね?

私は少し考えてから
「…はい」

と答える


するとその人は
「素直やな―」といって
笑う

しばらく沈黙が
続いた後その人が

「ケ-タイ今ある?」

と聞く

私はこくんとうなずき
かばんからケ-タイを出す