私はあわてて答えたので
声がうらがえってしまう

その人が
ぷっと吹き出す

「大丈夫やで

何もせえへんから」

ん?

私は何かに違和感を
感じて首をかしげる

「ん?どうしたん?」

私はその違和感に
やっと気がつく

「なんで関西弁
なんですか…?」

「あ…

俺いま関西弁
しゃべっとった?」

私がこくんと
うなずく

「あ―

人ん前でしゃべらん
ようにしとったん
やけどなぁ…」

そう言うとその人は
あちゃ-とでも言うように
手を自分の顔にあてる

「…あの

関西人なんですか?」

「うん、せやねん

大学こっち行きたいから
言うて1人ででてきてん」

「1人で?」

「うん」

「1人でさみしく
ないですか…?」

「さみしいよ-
でも今時の大学生みんな
そんなもんやで」

しばらく沈黙が
続くと

チンッと電子レンジの
音がする

「…電子レンジ?」

「あ、ホットココアでも
いれたろ思て

牛乳あたためててん」