浮かれてる俺達の楽しい時間は早く過ぎた。



オジサン達の引っ越しに合わせてマキや叶、白がやって来る。



そして俺達、仕掛けに行くんだ。



「バレンタインに若者の街を占拠する」

「「超楽しそう!!」」



少し遅れたデビューは俺達の派手なライブから始まる。



バレンタインの日、街の真ん中で1曲歌い、その後にデートスポットの公園、ファッションビルの中でライブ。



街の中が俺達色に染まる日…。



「大物になった気分ですよ」

「デビューしてすぐこんなことできるの君達だけだよ」

「事務所の期待に応えるよう、精一杯頑張ります」



これは紅が言った通り、ビジネスだ。



名を上げたい俺達と、売りたい事務所の。



やるよ、俺達は。



「ちょっと短くない?」

「フワフワ…。紅カッコイイ…」

「リンもカッコイイよ」

「俺達バカップルかな?」

「バカ!?じゃないでしょあたし達。天才カップルの間違いじゃない?」



スカートは黒のヒラヒラレースと真っ赤なリボンの紅。