最近雰囲気が暗い紅の家。



オジサンの会社での地位はこの転勤でグンと上がるらしいけど…。



やっぱり家族と離れることがイヤみたいだ…。



「葵がひとりになるんだよなぁ~…」



それがいちばん不安らしい。



俺達が仕事に行けば葵はひとりで留守番。



おばあちゃんちも考えたらしいけど遠くてムリだそうだ…。



「なんとかなるわよ。お父さんは本当に心配性なんだから」



オバサンの明るさはやっぱりここでも頼りになる。



俺も大丈夫だと思う。



「なんなら俺達みんなで住もうか?」

「えっ!?」

「そしたらバスターメンバーでローンも返して行くよ?」

「お、男ばっかりじゃないか…」

「家事とか分担すれば葵も楽じゃん?」



俺が何気なく言った一言が実現に向かったのは近所で起きた痴漢騒動。



オジサンの心配が大幅に成長を遂げ、頼み込むようにお願いされた。



「えっ!?紅んちにみんなで住む?」

「超賛成~。僕、葵と同じ部屋でいい」

「楽しそうじゃん!!」



決まりっ!!