それからディーンとは政務以外に会うことはなくなって、会う時はいつも婚約者と2人っきりとおいしい?状態なんだけど緊張しているのはいつもあたしだけみたい。

ディーンは平然として仕事を教えてくれたりして、終わったら何もなくサヨナラ・・・って何かあったら困るんだけど。それでいつの間にかドキドキも小さくなくなって大分落ち着いた環境に戻った。

あたしが正式に女王となって1ヶ月ほど経ったある日、事件が起こった。いつものようにレオンと剣の稽古をしている時に、カーダが慌てながら走ってきた。

『陛下ー、大変です。人間が不穏な動きを見せているらしいんです。』

稽古は中断され、あたしとレオンはカーダに連れられて政務室に急いだ。部屋にはすでにディーンとエレットが地図を広げて待っていた。

『不穏な動きって何?』

『最近ミシリアスとフルジマに行き来する船が急増しているのだ。』

あたしの質問にディーンが答える、ディーンはいつも以上にコワい顔をしているし他の三人も険しい表情だ。よっぽどのことが起こったんだと分かるけど、イマイチ状況が掴めないから再度質問した。

『船が多くなったのが何でいけないの?』