船に乗り、波に揺られること数時間、あたしは窓から海を見ながらマサルドリアに帰ったことを想像していた。
あたしがマサルドリアに戻ったらみんなはどんな顔をするんだろう?とか嫌がられないだろうか?とか追い返されないだろうか…とか。こんな風にどんどん悪い方に考えてしまう。
けれどディーンに逢えるのは嬉しい。たとえ忘れられていてもディーンの顔が見えるだけで良い。ディーンがあたしのことを覚えてなくても、あたしは覚えてる。ディーンが側にいなくてもこの空の下にいてくれるだけで良い。
マサルドリアに帰ることに不安になったり、ディーンに逢えることに喜んだり。こんな感じで気分が上がったり下がったりしているうちに船はマサルドリアの北東部に位置するターリアという港町に着いていた。
船を降りてターリアの街で簡単な食事をとった。食事中、町中に波の音が響き渡り心がとても落ち着く素敵な町だと思った。
あれこれ考えても意味ないよね、マサルドリアのみんながあたしを受け入れてくれなくても、受け入れてもらえるように努力する、それしかないじゃん。
食事をすませ、町を離れてマサルドリアを目指して歩き出した。最初は馬を買おうか迷ったけど、お金の問題から断念するしかなかった。歩いてマサルドリアに行くのはかなりの時間と体力を浪費することになった。
あたしの体が普通の魔族よりも強く作られているとはいえ、マサルドリアまでの数百キロの道のりを走りつづけるのは身体には大きな負担だった。
足の爪が剥がれたり、筋肉が断裂するなどの怪我もした。けれど、魔王の魔力が怪我を瞬間的に回復してくれる。
そして怪我が急速に治るのは声も出ない程に更なる苦痛を与えるものだった。体を痛めながらも走りつづけたお陰で、三日でマサルドリアの国境に着くことができた。
マサルドリアの国境は以前とは違い、頑丈な門となっていた。門の周りは鉄に似た物質で固められ、更に魔力で結界を作られていた。
やり過ぎる気もしたけど、それも仕方ないことだと思う。なんたって国境の周りには人間達の軍隊が構えて、いつでもマサルドリアに攻め込める状態だった。
あたしがマサルドリアに戻ったらみんなはどんな顔をするんだろう?とか嫌がられないだろうか?とか追い返されないだろうか…とか。こんな風にどんどん悪い方に考えてしまう。
けれどディーンに逢えるのは嬉しい。たとえ忘れられていてもディーンの顔が見えるだけで良い。ディーンがあたしのことを覚えてなくても、あたしは覚えてる。ディーンが側にいなくてもこの空の下にいてくれるだけで良い。
マサルドリアに帰ることに不安になったり、ディーンに逢えることに喜んだり。こんな感じで気分が上がったり下がったりしているうちに船はマサルドリアの北東部に位置するターリアという港町に着いていた。
船を降りてターリアの街で簡単な食事をとった。食事中、町中に波の音が響き渡り心がとても落ち着く素敵な町だと思った。
あれこれ考えても意味ないよね、マサルドリアのみんながあたしを受け入れてくれなくても、受け入れてもらえるように努力する、それしかないじゃん。
食事をすませ、町を離れてマサルドリアを目指して歩き出した。最初は馬を買おうか迷ったけど、お金の問題から断念するしかなかった。歩いてマサルドリアに行くのはかなりの時間と体力を浪費することになった。
あたしの体が普通の魔族よりも強く作られているとはいえ、マサルドリアまでの数百キロの道のりを走りつづけるのは身体には大きな負担だった。
足の爪が剥がれたり、筋肉が断裂するなどの怪我もした。けれど、魔王の魔力が怪我を瞬間的に回復してくれる。
そして怪我が急速に治るのは声も出ない程に更なる苦痛を与えるものだった。体を痛めながらも走りつづけたお陰で、三日でマサルドリアの国境に着くことができた。
マサルドリアの国境は以前とは違い、頑丈な門となっていた。門の周りは鉄に似た物質で固められ、更に魔力で結界を作られていた。
やり過ぎる気もしたけど、それも仕方ないことだと思う。なんたって国境の周りには人間達の軍隊が構えて、いつでもマサルドリアに攻め込める状態だった。