ギシギシとパイプベットから音が響く。



俺はゆっくりと目を瞑り、夢の中へと堕ちていった。


ふいに、部屋の扉が静かに開いた。



夢と現実の間にいる俺は部屋に入って来た人をうっすらと確認する事も出来なかった。



ふわりといい香りが香った。



この香りは…俺の好きな人の香り。



そして一瞬だけど、俺の頬に何かが触れた。



すぐに感触がなくなったと想ったら



「…好きじゃないんだか、ら」



とそんな声が聞こえた様な気がした。