僕の名前は、冴霧啓。
世間でいう、いじめられっ子だ。
学校を辞めたい…
と思うことは、何回かあったけど、両親が死んだ日、身寄りのない僕と弟を引き取ってくれた、凛堂さんに悪いから……
最初の頃は、僕はいつもビクビクしてたな……
今思えば、笑い話になっちゃうけどね!
凛堂さんの第一印象は、綺麗な人だと思った、それは今でも変わらないけど。
そんでもって、とても気さくで喋りやすかった。
それに、学校を辞めたら親に会わせる顔がない。
昔の頃を思い出しながら、帰り道を歩いていた。
「背中が、痛いな……」
いつものことだが、今日は身体がかなり痛い…
クラスメート数人に袋叩きにされたんだから、仕方ないと思うしかないのだが……
そして今日も、自分の傷の手当てをするべく、おぼつかない足取りで薬局に行った。