――朝が来た。
いつもと変わらない。
僕にとったら、憂鬱な日の始まり。
だけどこんな日常に、
少し変化が訪れた。
「兄貴、変な奴が来たんだけど。とても知り合いには、見えない。」
麗音のこの一言から、始まった。
ってか、朝から誰だろ?
「えっ!?なんていう人?」
「宇佐美飛夢って人。啓が嫌なら追い返す」
麗音は、眉間にシワを寄せながら僕を見る。
きっと、麗音は僕の本当の友達じゃないと思ってるみたいだ。
でも、何で飛夢が?
こんなにも朝早くに、僕の家に来たんだろうか?
「麗音、僕の先輩だよ。」
僕が麗音の誤解を解こうとした。
「嘘つくなよ。だってソイツ不良だぜ?」
僕が嘘をついたと思われてしまった。
「大丈夫。飛夢は優しいから。僕を殴ったりなんかしない。」
それだけ言うと、玄関に向かった。