「俺ここなんで…」
いつの間にか着いていた家の前で、宇佐美先輩に別れを告げようとした。
「なぁ、啓。」
「は…はいっ」
いきなり真剣な声で、呼び掛けるもんだからどもってしまった。
「携帯持ってんだろ。貸せ。」
「えっ!」
確かに持ってるけど宇佐美先輩、不良だしな…
怖いよやっぱり。
「携帯持ってんだろ?」
さらにもう一回聞かれると、言うしかなくなる。
「持ってます。」
そう言いながら、宇佐美先輩に渡した。
すると、宇佐美先輩は少し携帯を弄ってやっと、返してもらえると思ったら、宇佐美先輩が
「なぁ、これ返してほしいか?」
俺の顔を見ながら、そういった。
これというのは、携帯のことだろう。
「当たり前じゃないですか」
僕がそいうと、宇佐美先輩は何か企んだ笑顔をして
「じゃあさ、敬語と俺のこと名前で読んだら、返す」
むっ、無理ですよ!!
仮にも不良なあなたをですか!!?
俺は、チキンだからそんなん無理です~~!!!