「あれ?…ここはどこ?」
「目覚めたんだな」
上半身をあげてキョロキョロしていると、カーテンを開けて宇佐美先輩が来た。
「あ……先輩がここまで運んでくれたんですか。ありがとうございます」
「当たり前のことをしただけだ」
なんだろ……?
"当たり前のこと"って言われた時、胸のあたりが苦しいよ…
「もう、学校終わったから送る」
えぇ"!!!??
まじですかぁ!!
「なんか、すいません。保健室まで運んでくれるし、起きるまで待ってくださって……でも、一人で家帰れますし…」
「いい。俺がしたいだけだから。気にすんな」
宇佐美先輩は、俺が寝ていたベッドに腰掛け俺の頭を、乱暴に触った。
おかげで、髪の毛グシャグシャだよ。
「やめてください、先輩。髪の毛グシャグシャになったじゃないですか!!」
「はは…そうだな。さぁ、帰るぞ」
そいうと、いつの間に持ってきたのやら、俺の鞄を持っていた。
ある意味人質だよね。
そう思いながら、俺と先輩は家に帰る道を急いだ。