「終わりました」


不良さんに一応報告したが、みごとにスルーされた。




ふと、空を見上げるとまだ雨は降っていた。



傘置いて帰ろうか……



一つしかない傘を、不良さんに傘を渡した。

意外にも、不良さんは素直に受け取ってくれた。




ゆっくりと僕は、立上がった。


「あの、僕もう一本傘持ってるんで……使って下さい。」



僕はそのまま、その場を立ち去ろうとした時だった。


「うゎ!!」



誰かに後ろへと引っ張られた。

誰かなんて、不良さんしかいないけど……




「なんですか?」


不良さんの顔を見ると、思いっきり顔が近付いてきた。



そして、

「名前教えろ」


「はぇ!???」


不良さんに口答えしちゃった!!!!

殴られるかな???


そう思い、目をつむった。

だけど、痛みなんか全然なくて…


目を開けると、不良さんがしつこく名前教えろと言ってきたので、





「冴霧啓……」



そいうと、不良さんは


「へぇー、冴霧啓ね……」