その後も、腕に付いている時計をこまめに気
にしておよそ1分弱。


独特のエンジン音を鳴らす、あのバイクと
少し遅れて、歪な形の自転車の男の二人組
が、家の前に止まった。


「よっ」

バイクの男、歩夢はあたしから鞄を取って
変わりにヘルメットを手渡した。


「ハァ…ッ、ハッ……。あ、兄貴…」


激しく息を切らす自転車の男はナミ先輩
だった。


いつも綺麗にセットされている髪の毛
が乱れて天然パーマチックになってる。


それはそれで、良いけど。