興奮したご様子の友達が、大きな声のまま
言葉を続ける。


『なんか、あたしの友達がユーリが歩夢さん
と居るの見たらしいんだけど!』


「歩夢……さん?」


あたしは、つい最近まで知らなかったその
「歩夢さん」の名前をサラリと話す友達。

歩夢も有名なんだ……。


大体見た目的にそうかな、なんて思ったり
したけど、やっぱり。



『やっぱり……。人違いだよねぇ! ユーリが
歩夢さんと一緒に居る訳ないしっ』


「あ、居たけど……何?」


さり気無く、棘を刺してくる友達に苛立ち
言い返す。
電話の声が、ナミ先輩にも聞こえたのか
飲んでいたお茶を吐き出し、爆笑。


『マジで!? え、何で!? ってか、キャー!』