みんなが、「マグレ」と零す中
一人私は、考えこんだ。


「……ね、奈乃。あの子……」


誰かに、聞いて欲しくて。


あたしより、バド歴の長い‘奈乃’に
話しかけた。

奈乃は、飛んできたシャトルを拾うと
それに視線を集中させてポツリ、と呟いた。


「あの子、マグレなんかじゃない……。
才能だよ」


私の手に、ギュッと力が篭るのが分かる。


薄々感じていた事を、奈乃も感じていた
からだ。