部室に少しだけあるラケットを2つ
手にして、コートの端でラケットと羽を
構える。


「行くよっ」


まだ不慣れなサーブで、陽菜の元へ
羽を飛ばす。


強く、強く。


まるで、鳥のように羽ばたいたシャトルは
宙を舞い、陽菜のラケットに打たれて
返ってきた。


あたしは、瞳でシャトルを捕らえると
ラケットの中心でシャトルに力を加えた。


その途端、鳴ったあの音。


先輩の音。