悠真は予想通りに困っている。
あたしのことを気にかけているのだろう。
でも、即答していいのに。
あたしなんか・・・かまわなくていいのに。
悠真の優しさに涙が溢れ出しそうになる。
「そんなん決まってんじゃん。」
悠真が口を開いた。
美咲は笑顔で悠真を見つめている。よほど自分に自信があるのだろう。ある意味、尊敬してしまうなあ。
「どっちも大事だよ。」
当然のように言い放った。
美咲はまた血相を変えて怒り出した。
「なんでよなんでよ!美咲には悠真だけなんだよ?悠真の彼女なのに・・・。なんであんな一般人に負けなきゃいけないの?ふざけんじゃないわよ!」
あたしは腰を抜かしそうになった。
ものすごく・・・怖かった。
悠真は静かに美咲を抱きしめた。
美咲は開き直って悠真に抱きつく。
都合のいい女。
「わかってくれよ。俺のすきな女は美咲だからさ・・・。」
あたしは目と耳を閉じた。
こんな性格悪い女があたしが10年言ってもらえなかった言葉を言われている。許せなかった。
あたしは10年も悠真を思い続けているのに、どうして叶わないの?
たった3年しか関わってない女に負けたのだろう。
あたしが可愛くないから?
モテないから?
アタックしてないから?
悠真が・・・あたしを嫌いだから?
分からないよ。全部かな?
・・・あたしに悠真との未来はないのかな?