悠真と仲良くなってからは、友達がたくさんできて、元気に明るく過ごしていた。
学校は楽しかった。
時間が経つにつれ、悠真がいなくても1人で歩けるようになった。
悠真は優しく見届けてくれて、次第に離れていった。
あたしは正直寂しかったけど、素直になれなくてそのまま離れた。

それでも変わらず悠真がずっとスキで、少しでもチャンスがあれば近づいていった。
「今何時?」「今日何曜日?」そんなたわいもないコトでもどんどん話しかけた。
でも、そんな事じゃ離れた距離はなかなか縮まらず、この恋が辛いものになってきた。
小学6年生になると、悠真はものすごくカッコよくなって、モテた。
小さい頃の仲には戻れずにいたけれど、遠くから悠真がモテているのをみて悲しんでいた。
ずっと、ずっと仲良かったのに。
今は幼馴染であることすら悠真は忘れていたのかもしれない。
「悠真!明日遊べる?」
そんな声が毎日耳に入ってきた。
何人もの女の子に言われて悠真はちょっと困っていたけれど、どの誘いも断らずにみんなで遊んでいた。
悠真の優しさは昔から知っている。
だから良かったんだ。このままで。

悠真の好きな人も、有名だった。
小5の頃からずっと噂だったのは1人だけだった。
小村美咲。
可愛くておしとやかで・・・・・
悠真が一緒にいて困らないような癒しの人だった。
あたしは悔しくて、何度も泣いた。
いずれ、悠真と美咲がくっつくコトなんて、目に見えていたから。