「姫乃も知ってますよね?
RyU-Jiのこと。」
「うん。あの人はかなり輝いてるよね。テレビからオーラがただよってる。」
ふと、楓花が言った。
RyU-Jiとは、今、1日に見ないことはないというぐらい人気な歌手であり俳優である。
その歌は確実にオリコン1位をとり、そのドラマは確実に視聴率が15%を超える。
「はぁ!?」
すぐそばで一縷のイラついていると思われる台詞が聞こえた。
「お前が昨日、眼鏡を俺に渡したんだろ?ふざけんな。死にやがれ。」
手にはケータイがあり、誰かと電話をしているようだった。
帝院学園では、朝と放課後限定でケータイの使用が許されている。
これは、執事科のためだったりもするのだが。