「お、洸大。また間違えられたのか?」

「あ、れっちゃん。俺、泣いていい?もう、本当に生徒に間違えられるとか……。一応、6つは上なのに。」

そういう野瀬の目には涙がにじんでいる。
どこからどう見ても、生徒にしか見えない。

その涙が目ににじんでいる姿がとても可愛らしく思う。

話しかけた古樫はため息をついた。

「…ほら、若いからだって。」

「れっちゃんと同い年だって。」

古樫は慰めたが、無理だった。

「あ、はよーっす。」

後ろから声をかけてきたのは一縷だった。

もちろん、遅刻である。