そこには、翔也の他に、2人知らない男子がいた。
「おっ!この子が唯ちゃん?」
1人の男が言った。
そいつは動物に例えると……ライオン…
キレイにセットされたキャラメル色の髪…でも案外可愛い顔をしている。
「え?何?」
私は軽く混乱していた。
「ゴメンね、俺等翔也の前の学校のダチ。」
もう1人の男が言った。
……この人は…
なんていうか…優しそうな顔してる…
けど、女関係がキツそう…
「俺、直基!伊井田直基!よろしくね!」
ライオンが言った。
「あ、俺は安藤蓮。よろしく」
女関係のキツそうな男が言った。
「私、岡野唯です…よろしく…」
翔也は何故か嫌そうな顔をしている。
「翔也やるじゃん!」
ライオンが…じゃなかった、伊井田君がはしゃいでいる…
「なんで……伊井田君と安藤君がここに?」
私はおそるおそる聞いた。
「翔也がさみしがってると思って遊び来た!」
ラ…伊井田君が言う。
「…東京から?」
「うん」
えぇぇ?!
東京からここまでって!相当遠いじゃん!
お金とかは?
ちょっと…
「まぁ、座れよ!」
伊井田君はあたかも自分の家のように言った。
「こっちおいでぇ~」
ライオンに言われ、私はライオンの隣に座った。
あ、間違った、伊井田君…
「唯って呼んでいい?」
伊井田はお喋りだ…
「おい、直基、仮にも翔也の彼女だぞ?」
安藤君が言った。
「大丈夫だって!」
え?何が?
大丈夫?
でも伊井田君は悪そうな人じゃない。
「…いいよ」
「ったぁー!じゃあ、俺の事も直基って呼んでね」
「うん」
その時、
少しだけ翔也に見られた気がした。