男子の方から誰かがこっちに走って来た。

翔也だ。


「着とけ!!」


翔也は私にジャージを投げて男子の方へ戻っていった。

私が寒がってた事に、気づいてくれたのかな?


「坂田君、唯の事好きなんじゃないの?」

なつが私に言った。

「それはないよ……絶対。」


私は黙って翔也が貸してくれたジャージを着た。

……翔也のにおい。
私の好きな…
私の大好きな翔也のにおい。


ありがとう。


だけど翔也…


これ以上、




優しくしないで。