バスを降りた。

後ろには翔也がいる。
いつもは楽しく喋りながら帰るけど、今日は何も言わない。

…私がこんな雰囲気にしたんだ。


何も話さないまま団地についた。

「…唯、元カノの事なんだけど…昨日久しぶりに連絡してみたんだ。唯に言われて気づいた。遠すぎて会えないけど、今の気持ちを言った……」

……それって…
あの子に告白したって事?

「それでさ、俺らまたやりなおす事になったんだ…」

……また、付き合い始めたって事?

「だから、唯…ありがと!唯が言ってくれたから、またあいつと付き合えるんだよ!!」

私は…どうすればいいの?
また、怒る?








「…よかったね!」

今の精一杯の笑顔で言った。

「うん!唯のおかげだよ!本当ありがとね。」


……翔也が幸せ…
『それならいい』なんて言えるほど、私は大人じゃない。

ただ、
こんな関係がずっと続くなら、私は我慢してでも…笑っていたい。