担任が教室から出ると翔也の周りは人でいっぱいになった。

他のクラスの人たちもゾロゾロやって来る。
私は紗希を連れて女子トイレに行った。

「あぁ、もぉ唯!私も坂田君と喋りたかったのに」
…あんな人混みのなか、私はごめんだね!!

「その内話せるって、同じクラスなんだし…」

学校のドコを歩いても聞こえてくる話し声は全部翔也の事ばかり…
どんだけ人気なんだよ。
そんな大変な1日ももう少しで終了。
帰る準備をしていると翔也が来た。

「唯、帰ろ♪」

その瞬間近くにいた人たちがいっせいに私を見た。

「えー!?」「なんで?」
…みんな…それはキツイよ…せめて気をつかって小声で言って?

どうせ私には男友達がいない。

そんな私と話題の翔也がなんで一緒に帰るんだ??みんなが思ってる事はこれでしょ?

「…唯?バス…出ちゃうよ?」

「あああ!!ヤバい!!」
私達は急いでバス車庫に向かった。

バスの中でも翔也はみんなに話しかけられていた。

「東京から来たの?」

「やっぱ彼女とかいたでしょ?」

「メアド教えてー★」

……狙ってんな…。

そんな事を思ってるうちにスクールバスはバス停に到着した。