「聞いてよ!唯!」
……やっぱり…
「圭ってヒドイんだよ!」
横村君は困った顔をしている。
「ホラ!学ランのボタンがこんなにないの!」
そう怒鳴って私に横村君をつきつけてきた。
確かに第2ボタンとネーム以外はキレイさっぱり何もない。
「何か言ってよ唯!」
「ごめんね、岡野さん」
申し訳なさそうな横村君。
「ん~…でも第2とネームがあるからいいじゃん」
「唯も圭の味方ぁ?」
紗希はますます不機嫌になった。
「俺だってさぁ、最初は断ったよ?でも~……
第2とネームだけは紗希にあげたくて」
少し間をあけて横村君が言った。