きっとこの中は…
私は抱えていた袋を静かに隠した。
こんなにたくさんあるなら…私のはいらないでしょ?
「何する?」
翔也はまだ気づいてない。
「…またゲームでもしよっかなぁ」
私は明るく笑ってみせた。
「唯…」
いつもと違う翔也の声。
「なんかあった?」
…気づかれた。
「別になぁんも!」
こんくらいの事で、落ちるなんて…
「じゃあさ!何それ?」
翔也はニヤついて私が隠していた袋を指差した。
バレた…
私の背中を冷たい水が流れる。
冷や汗ってこーゆーものなのね。
「これはぁ…あれだよ!ほら!今はやりの……」
って何言ってんだよ…。
「もぉ!!チョコだよ!翔也に作ったの!でも翔也他にたくさんもらってんじゃん!だから私のなんていらないでしょ?!」
…つい声が大きくなっちゃった。
「お前のは食う。」
えっ!?
「唯のは食う!!」