「お客様、何かお探しですか?」


……はい??


私の後ろに、お店の人らしきおじさんが立っていた。


「え?…まぁ…そんなとこです」


「ご案内しましょうか?」



不思議な感じの人…。

ファンタジックだ…


こんなファンタジックなおじさんに、

『彼氏に何かプレゼントしようと思ってるんだけど、何を買えばいいかわからなくて…』

なんて、言えない!言えない!


「何をお求めで?」



「えっとぉ…えー…」


なんて言えばいいのぉ??



「あー、その…なんか…こ、恋人??」


何その質問!!
おじさん困っちゃうよー!


「…もしや、彼氏に何かプレゼントを?」



伝わったよーーー!!



「……はい…」



「…でしたら…」



あるんかいーーー!!



「こちら…」



ファンタジックなおじさんが棚から取り出したのは、これまたファンタジックな鍵だった。