「……ハァ…ッ…」

家を飛び出した私。


息切れするほど全力で走る。




行き先……


……わからない…


でも何でか足が“あの場所”に向かう。








すべての始まり。



海。



砂浜を見渡す。






翔也はいないってわかっていても……




必死で……

会いたいから…


ただそれだけの為に…





久しぶりの涙。


あの頃の私に逆戻り。





何をしに海に来たの?


そう聞かれると答えられない。



もしかしたら、少し期待してるのかも……



翔也が“ここ”で待ってるって…



ありもしない事。


現実を見つめる事のできない弱い私……




泣く事しかできない…


弱い私…