休み明けの教室。
みんなの元気な声。
「おはよッ♪」
うわっ!!
なつがいきなり耳元で言った。
「びっくりした~!なんかテンション高くない?」
明らかに機嫌のいいなつ
「へへへ★彼氏できた!」
「えっ!?またぁ?塾で知り合った子とは?」
「あー、あの人はもう関係ない!今の彼氏めっちゃ優しんだぁー!」
嬉しそうに話すなつ。
見かけによらずコロコロ男変えるなぁ……
で、すぐ別れちゃう…
それがなつの恋愛なのかな?
「あれぇ?坂田君は?」
なつはまだ知らないの?
「翔也、引っ越したんだよ」
「えーーーー?!」
なつはイスから立ち上がり、大声で叫んだ。
「……声デカい」
「なんで?えぇ…聞いてないよ…唯、……寂しい…でしょ?」
なつが遠慮がちに聞く。
心配してくれるんだね。
ありがとう…
「…うん。でもしょうがないよ……我慢する」
「唯は強いねー」
……私は、強くなんかないよ…
いっぱい泣いたよ?
もう泣かないって決めても、またすぐ泣いちゃったよ?
全然強くないんだよ?
ものすごく弱虫だよ?
「私なら無理だよ?彼氏がどっかいっちゃうなんて…遠恋とか…自信ないし…普通に“行かないで”とかわがまま言っちゃうもん」
……なつ…
本当にありがとう…
励ましてくれてるんでしょ?
「…まぁ、泣きたくなったら、いつでも胸貸すよ?相談にものるから、1人で抱え込まない事!!」
「……うん!!」
私の周りには、こんなにいい友達がたくさんいる…
頼れる人が…
きっとこれで…
胸を張って
「大丈夫」
と言えるはず…