「なんで?」
頭が……ついていかない
「うちのばあちゃんがさ…病気で倒れたって…だから……行かなきゃ…」
知ってる…
翔也がおばあちゃんっ子って事。
わかってる…
小さい頃、お父さんもお母さんも毎日仕事で帰りが遅くて…
翔也はおばあちゃんに育てられたって事。
そうだよね…
そんな大事なおばあちゃんが倒れたら…会いに行かないとね…
私、嫌な女だよ…
全部知ってるのに…
わかってるのに…
後押ししなきゃいけないのに…
心の中では、
『行かないで』
って叫んでる。
「……早く…おばあちゃん、元気なって欲しいね…」
「……うん…」
「……ごめん…泣かないで……」
私の目から…
次々と涙がこぼれる…
この涙が…
翔也を困らせるんだよね…
でもとめられない…
とまらないよ…
「…私は…大丈夫…」
言葉が見つからない…
いつも困らせてばっかで
ごめんね…
ごめんね、翔也…