ピンポーン

中から足音がする…



ガチャ

ドアが開き、翔也が顔を出した。



「………唯?どうしたの?今日塾の日じゃん」


「…………うん…」


「何かあった?」


特別、何かあった訳じゃない。


ダメだな、私。

たった1日遊べないくらいで甘えて……


「何でもない!!」

私はニカッと笑ってみせた。

「そう…よかった」

翔也も私を見て笑った。

弱いのは嫌だ。


そして私は家に戻った。



……翔也は私が無理して笑ったのに気づいたんだね。

さっきの翔也は、本気で笑ってなかったよ。


翔也はどうしてすぐにわかるの?



ねぇ…

……今度はちゃんと笑うから…


翔也だけはそんな笑い方しないで…