お礼を言ってペコッと頭を下げると優しく微笑んだ矢野くんは、すぐ女の子達に囲まれてしまった。 …まぁいいかぁ。 一人、イスに座って休憩していると優ちゃんがあたしの隣に座った。 「ごめん、急に演じろなんて無理だよね」 「ううんっ!いいよ、そんな事っ」 優ちゃんが悪いわけじゃないのに謝られると、こっちも同様してしまう。 本当はあたしが謝らなきゃいけないのに…… 弱気になる優ちゃんを見るのは初めてだ。