前日の夜遅くまで奈美と電話をしていたせいか、目元が少しクマになっている。




「冷やせば直るかなぁ」




お母さんに氷を袋に入れてもらって目元に当てた。




場所はモールでお昼前に集合になっている。




まだ完璧に直っていない目にメイクをして、よく着る大きめのロングTシャツにデニムのミニスカートを合わせて髪型をセットした。




長い黒髪を少し巻いて普段とは違う感じに。




奈美はもっと気合入れて行くんだろうなぁ…




髪を巻いたのも、電話で『明日は髪巻いてギャップを出してね』と念じるように強く言われた。




ギャップで男は惹かれるのだとか…あたしは別に惹かれたいとか思ってないのに。




「行ってきまーす」




朝から家事をして掃除機をかけているお母さんに言い残して、あたしは家を出た。




駅前で奈美と待ち合わせしていた為に気合充分の奈美は既に待っていた。




「あ、初実ぃーっ!」