「翔…離して」
「なんで?」
なんでって…
「ここは学校だからぁ」
うぅひっくひっく…
暖かい物を感じた
頬に伝う暖かいソレは
ポタッポタと落ちていく
「ごめん…」
頭上から翔の声が聞こえた
あたしの視界は真っ暗
かすかに香る翔の香りがあたしを包み込んだ
「俺さ…彩乃が可愛いすぎて…マヂで男にがすげぇ人気で…彩乃が捕られそうで焦ってた…」
翔の声が震えてる…
もしかして泣いてるの?
「翔…泣いてるの?」
「は?な泣いてねぇ…よ」
言葉咬んでるし…
なんか翔可愛い
さっきまでの涙は消え
ただ翔に包まれていた
翔が不安になって泣くなんて
全然考えてなかった
だから…
あたしの為に泣いてくれたのがすごく嬉しかった
本当に好きなんだって思えた