「なぁ、あいつ見なかったか。」


「あいつぅ?
まなちゃんの事?
さっき持ち場離れて廊下フラフラしてたよ。」


「あぁ…ありがとう。」


「先生っ!」


クルリと振り返る綺麗な顔立ちをした教師に、ニヤリ顔で叫ぶ。


「いい奥さんと結婚出来て幸せだね!」


一瞬目を丸くさせたが、すぐに見た事のない表情で笑った。


「…あぁ、いいだろ。」


その言葉に二人は顔を見合わせ、キャー!!と跳び跳ねた。


「もーいいなぁ。」


「ね、あの二人は学校の中で憧れの夫婦だよね!」




―――――――――……


“俺には、憧れのカップルじゃなくて、憧れの夫婦って言われてる二人が見える”



-END-