「…そう思うならそう思ってればいい。」


突然低くなった声にドキッとして顔を上げると、いつの間にか目の前にあった顔が後ろ姿になって遠ざかってしまっていた。


あ…怒らせちゃった…?
あたしがウジウジしてるから…


またうつ向いて一人で夏木君に任された仕事を涙を堪えながら手を動かした。



一方、怜は全速力で弘子の元へ走った。
保健室へ運ばれている途中だったらしく、近くにいた生徒に駆け寄った。


「おい、弘子は…大丈夫なのか?」