「あ、はい。
…あの!」


通り過ぎようとした時、呼び止められたので振り返った。


「…先輩の事“姫”って呼んでたの、実は嵐が最初だったんです。
嵐が姫姫って言ってるから皆が真似して“嵐の姫”って呼んでたんです。
嵐はずっと先輩の事好きだったんです。」


そうだったんだ…
新しい真実を知って嬉しくなった。


『そっか…教えてくれてありがとう。
嵐の気持ちはちゃんと分かってるよ。』


ニコッと笑ってみせると、彼もニコッと笑い返して嵐のいる保健室へ早足で行った。