その日から、彼は本当によく目の前に現れる。


「姫~!
おはよっす。
今日放課後バスケ部覗きに来てくださいよっ!」


『何であたしがわざわざ花粉で大変なこの時期に…』


「わ~つめてぇー…。
ちょっとまな先輩も悦子先輩も頼みますって~!」


「そうだねぇ~、見に行ってあげたら?
バスケとかかっこいいじゃん。」


ノリノリで愛美が嵐側に回った。


「おっ、ナイスまな先輩!
ねぇ、姫が来てくれたら俺頑張れるんだけどっ!」


子犬みたいに真ん丸い目でニカッと笑われてしまうと、つい頬が緩んでしまう。