キョロキョロと周りを気にしながら後ろに乗ると、固い制服の裾をキュッと掴んだ。


愛美が乗ったのを確認すると、ゆっくりと自転車を漕いだ。
柔らかい風が二人の髪を揺らし、思わず愛美は空を見上げた。


この前の二人乗りよりも、どうして制服で学校帰りというだけでこんなにくすぐったいのだろう。


『…ねぇ、今あたし達普通の高校生カップルみたいだよね。』


「………周りから見たらな。」


好きな人の自転車の後ろに付き合ってないのに乗れちゃうなんて、普通の高校生なら羨ましい事なんだよね。