『じゃ先に行って来ます!』
バタバタと先に家を出た愛美の後ろ姿を見ながら、はぁ…とため息を吐く怜。
学校ではいつもの様に賑やかな雰囲気が漂っていた。
えっちゃんとかおるもいつも通りだったのに、その雰囲気は一人の人間によってぶち壊された。
「おい、高橋教科書貸して。」
見上げれば、夏木君があたしの机の前に偉そうに立っていた。
滅多に一人でこの教室に来ない上に、わざわざあたしに声をかけた事に周りはざわついた。
「…何でわざわざ愛美に?」
かおるが目を真ん丸くして夏木君に聞いた。
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