「はぁ?」


「他の人に取られた時に嫌な気持ちになるのって嫉妬っていうんだよ。」


「…まさか。」


ケッと笑う怜に、弘子は怜の頬をグイッと自分の顔の前に引っ張った。


「自覚がないだけで、怜は愛美ちゃんが好きなんだよ。
いい加減認めなさい!
あたしには八つ当たりだってしなかったくせに。
怜はあたしにしなかった事を愛美ちゃんには自然にしてるの。
悔しいけど、それが証拠でしょ?」


認めたくない気持ちが自分の中で葛藤した。
弘子が言ってるのも分かる。
だけど、俺があんなのを本気で好きになったなんて考えたくない。