えっちゃんもあたしを覗きんで真顔で聞いてきた。


『えっ…だって…』


「「もったいない。」」


二人は声を揃えて同じ事を言った。


正直あんまり考えたくなかった。
恋人とか想像出来ないし、考えるのも疲れる。


その日、家に帰るといつもの様に夏木君がソファーで本を読んでいた。


『ただいま。』


チラリとこちらを見て、あぁ…とだけ小さく返事をしてまた本に視線を戻した。


『ねぇ、今日ボール飛んで来たやつびっくりしたよね。
見てたでしょ?』