実は、怜も咄嗟に無意識のうちに愛美を助けようと手を出していたのだ。
しかし、隣にいた木村の方が早かった。


それを知るのは遠くからその様子を見ていた弘子だけだった。


しばらく愛美を見つめた後、怜は去って行ってしまった。


「木村かっこ良かったねぇ。
絶対痛かったはずなのに、何にもなかった様な顔しちゃってさ。」


かおるがニヤニヤとあたしに顔を近付けてきた。


『ね、びっくりした…』


「まな、まだ返事してないんでしょ?
付き合わないの?」