母が出してくれたお茶を飲みながら、あたし達はさっそく夏木君の話しをした。


「怜君今回の事は本当に残念だったわね…。
電話越しでしか話した事がなかったけど、突然娘と暮らさないか…なんて言われて嫌じゃなかった?」


「いえ、凄く助かりました。
本当…絶望していたので。
両親からお二人の話しはよく聞いていたので、安心しました。」


こんなに礼儀正しい夏木君を初めて見て、少しこそばゆかった。


「………本当に拓に似てるんだな。
よく言われただろう?」


父の懐かしむ様な目に、夏木君も少し寂しく笑った。