中に入ると、父親が迎えに出てきた。


「…………拓……。」


父も母と同じ様な顔で夏木君を見つめると、母が苦笑いで言った。


「あなた、拓の息子の怜君よ。
ごめんね、怜君…お父さんにそっくりだから驚いちゃった。」


そんなにそっくりなんだ…と夏木君を見上げると、困った様に笑っていた。


リビングに行くと、妹の中学になった華がスウェットであぐらをかいていた。
夏木君を見た瞬間、目を見開いて慌てて逃げる様に自分の部屋へ入ってしまった。


「くく…妹?」


『うん…挨拶ぐらいしてけよって感じだよね。
ごめん。』


「いや、いきなり男来たらびっくりもするよなぁ。」


いやいや、夏木君だからあんな焦ったんだと思う。