妙にすっきりした顔で笑ってみせるひろちゃんに、あたしは聞いた。


『…あたし人を好きになった事ないからよく分かんないんだけど、普通好きな人が他の女と同居してたら嫌じゃない?
ひろちゃんはどうしてそんな風によろしくねって言って許してくれるの?』


ひろちゃんはあたしの言葉に優しく微笑んで答えてくれた。


「怜じゃなくて他の人だったらあたしも怒ってた。
でも怜は身寄りがなくて、ただでさえ親が居なくなって元気がなかったのに毎日一人だった。
あたしも毎日行ってたけど、やっぱり大変だった。
あたしの家に住むのは嫌だって言ったから怜はどうなるのか本当に心配だったの。」