「――来週は会えないぞ、たぶん」


車を停めて、先生がぽつりと言い出した。


「そうなんですか?...わかりました」


付き合ってから毎週のように週末は会っていたから――なんだかたまらなく寂しい。


「試験期間なんだよ。来週とか」


「ああ、なるほど」


納得はしたものの、やっぱり寂しさは募っていく。

試験期間中なら――メールや電話も、しないほうがいいのかな。


「寂しい?」


そんなあたしの顔を見て、先生はすぐに笑った。


「――そんなことないです!」


「わかりやすいなぁ、おまえは」


ぬぅ、と口をとがらせて、あたしはうつむく。


「先生はずるい」


「どうして?」


「だって――」


あたしばっかりドキドキして、先生はいつも余裕があって。


あたしがそこで押し黙っていると、先生があたしの顔を下からのぞきこんできた。


「おまえが可愛いからおちょくるんだよ」


そんな言葉に、素直に照れてしまうあたし。


「そーいうのがずるいんだって!」